AIエージェント時代、Webサイトの集客はどう変わる? Cloudflare『第2の利用者』発表から考える
今回の記事を書くきっかけ
今回このテーマを調べようと思ったきっかけは、XでCloudflareの発表を紹介している投稿を見かけたことでした。
「Webサイトへのアクセスの半分以上がAIになった」という趣旨の内容が気になり、実際にはどのような発表だったのか、Cloudflareの公式情報まで確認してみることにしました。
Cloudflareは2026年9月30日、「The Internet has a second audience(インターネットには第2の利用者がいる)」という記事を公開しています。
Cloudflareによると、2024年末には同社ネットワークで処理するHTTPリクエストは平均毎秒約6,300万件でしたが、現在は約1億1,500万件まで増加し、ピーク時には1億5,000万件を超えています。
さらに、AIエージェントからの1日あたりのリクエストは、この1年間で1,700%以上増加したとのことです。
そして2026年には初めて、Cloudflareが観測するインターネットトラフィックの半分以上が、人間によるものではなくなったとしています。
ただし、ここでいう「人間ではないトラフィック」には、AIエージェントだけでなく、検索エンジンのクローラーや各種Botなども含まれます。
そのため、「インターネットの半分以上がAIになった」という意味ではありません。
しかしCloudflare自身が、AIエージェントを「その中で最も急速に成長している存在」と説明していることは非常に興味深いところです。
Cloudflare公式記事:
https://blog.cloudflare.com/agentic-web/
この発表を読んで私が特に気になったのは、AIそのものの進化よりも、
「これからWebサイトへの集客方法がどう変わるのか」
という点でした。
そこで今回は、WordPressなどでWebサイトを運営している企業や個人事業主の立場から、この変化がWeb集客やSEOにどのような影響を与える可能性があるのか、もう少し深掘りして考えてみたいと思います。
Cloudflareが2026年9月30日に発表した内容が、Webサイト運営者にとってかなり重要なものになっています。
Cloudflareによると、同社が観測するWebトラフィックでは、人間以外によるアクセスが初めて半数を超えました。
ここで注意したいのは、「インターネットの半分以上がAIになった」という意味ではないことです。
検索エンジンのクローラーや各種Botなども含めた「自動化された通信」が半数を超え、その中でもAIエージェントからのアクセスが急増している、というのが正確な内容です。
Cloudflareによれば、AIエージェントからの日次リクエストは、この1年間で1,700%以上増加しています。
この変化は、Webサイトの集客方法そのものに影響していく可能性があります。
これまでのWeb集客
これまでの一般的なWeb集客は、次のような流れでした。
Googleなどで検索
↓
検索結果にWebサイトが表示される
↓
ユーザーがクリックする
↓
Webサイトを読む
↓
問い合わせや購入につながる
そのため、多くのWebサイトではSEO対策を行い、
「Google検索で上位に表示されること」
を重要な目標としてきました。
これからは「AIが先にWebサイトを読む」
ChatGPTやGemini、ClaudeなどのAIサービスが普及したことで、この流れが変わり始めています。
今後は、
ユーザーがAIに質問する
↓
AIが複数のWebサイトや情報源を調べる
↓
AIが内容を整理する
↓
ユーザーに回答する
という経路が増えていきます。
つまり、人間がWebサイトを見る前に、AIエージェントがWebサイトの内容を読むケースが増えていくことになります。
Webサイト運営者から見ると、
「人に読んでもらうサイト」
だけではなく、
「AIにも正しく理解してもらえるサイト」
を意識する必要が出てきます。
Webサイトへのアクセスが減る可能性もある
ここでWebサイト運営者にとって少し気になる問題があります。
AIがWebサイトの内容を読み、その回答だけでユーザーの疑問が解決してしまうと、ユーザーが元のWebサイトを訪問しない可能性があります。
Cloudflareは、AIによるクロールが多い一部の業種において、人間からのトラフィックが最大40%減少したケースがあると説明しています。
小売、IT、ソフトウェア、金融サービスなどが、その例として挙げられています。
もちろん、すべてのWebサイトで40%減少しているわけではありません。
しかし、
「検索結果からWebサイトへ人を集める」
という従来のモデルだけではなくなってきていることは、意識しておいた方がよさそうです。
SEOがなくなるわけではない
では、これからSEOは必要なくなるのでしょうか。
私は、そうではないと思っています。
検索エンジンもAIも、Webサイトの内容を理解する必要があるからです。
むしろ重要になるのは、
・何の会社、何のサービスなのか明確に書く
・専門用語だけでなく、わかりやすい説明を入れる
・料金、サービス内容、対応地域などを明確にする
・FAQを充実させる
・古い情報を放置しない
・誰が書いた情報なのか明確にする
といった、基本的な情報整理です。
これらは人間にとっても読みやすく、AIにとっても内容を理解しやすいサイトになります。
「検索されるサイト」から「引用されるサイト」へ
これからWebサイト運営で重要になりそうなのが、
「検索順位」
だけではなく、
「AIの回答で情報源として使われるか」
という視点です。
これまでなら、
Google検索で上位に表示される
ことが重要でした。
これからは、
AIが回答を作るときに参照する情報源になる
ことも重要になる可能性があります。
例えば、自社独自の事例、料金、導入事例、専門的な解説など、他のサイトにはない一次情報を持っているサイトは、今後さらに価値が高くなるかもしれません。
CloudflareもAIアクセスへの対応を始めている
Cloudflareは現在、Webサイト運営者がAIからのアクセスを細かく制御できる仕組みを拡充しています。
例えば、
・検索エンジンによるアクセス
・AIエージェントによるアクセス
・AI学習のためのアクセス
を分けて制御する仕組みが提供され始めています。
「検索結果には掲載してほしいが、AI学習には利用してほしくない」
といった設定も可能になってきました。
さらにCloudflareは、AIエージェントからのアクセスに対して課金する仕組みの実験も開始しています。
将来的には、
人間には無料でWebサイトを公開する
AIエージェントには利用料を求める
といったモデルが出てくる可能性もあります。
WordPressサイトも今から準備しておきたい
WordPressを使っている企業サイトや個人事業主のサイトでも、この変化は無関係ではありません。
ただし、特別なAI対策を急いで行う必要があるというより、
まずはWebサイト内の情報を整理すること
が重要だと思います。
例えば、
サービス内容が古いままになっていないか。
料金が分かりにくくなっていないか。
会社情報や運営者情報がきちんと掲載されているか。
FAQが不足していないか。
ブログ記事に古い情報が残っていないか。
こうした基本的な部分を整えることが、結果的に人間にもAIにも理解しやすいサイトにつながります。
Web集客は「人を集める」だけではなくなる
これまでWebサイトのアクセス解析では、
「何人サイトに来たか」
という数字が非常に重要でした。
しかしAIエージェントが普及すると、Webサイトに人が訪問しなくても、その情報がAIを通じて多くの人に届く可能性があります。
そのため今後は、
アクセス数
検索順位
問い合わせ数
だけではなく、
AIからどのように参照されているか
という新しい視点も必要になるかもしれません。
Webサイトの役割がなくなるわけではありません。
むしろ、
「AIが情報を取りに来る場所」
として、Webサイトそのものの信頼性や情報の質が、これまで以上に重要になる可能性があります。
Web集客は、「検索してクリックしてもらう」時代から、「人とAIの両方に正しく情報を届ける」時代へ少しずつ変わり始めています。
今からできる簡単な対応策
では、実際にWebサイト運営者は何から始めればよいのでしょうか。
大がかりなAI対策を行う前に、まずは次のポイントを見直すだけでも十分意味があります。
1. サービス内容を具体的に書く
「高品質なサービスを提供します」だけでは、AIにも人にも内容が伝わりにくいです。
何を提供しているのか、誰向けなのか、どこまで対応できるのかを具体的に書いておくと、情報が正しく理解されやすくなります。
2. 料金や対応範囲を分かりやすくする
料金、対応エリア、納期、対象サービスなどは、できるだけ明確にしておくのがおすすめです。
AIは複数のページから情報を拾うため、ページごとに内容が違っていると誤った回答につながる可能性があります。
3. FAQを充実させる
AI検索との相性が良いのがFAQです。
「よくある質問」と「明確な回答」をセットで掲載しておくと、ユーザーにもAIにも理解されやすくなります。
実際にお客様からよく聞かれる質問を、そのままFAQに追加していくのも効果的です。
4. 独自の情報を増やす
他サイトにも書いてある一般論だけでなく、
・実際の導入事例
・失敗した事例
・対応したトラブル
・自社独自のノウハウ
・具体的な数字や結果
などを掲載すると、情報源としての価値が高くなります。
AI時代ほど、実体験や一次情報の価値は上がると考えられます。
5. 古い記事を定期的に更新する
AIが古い料金や古い仕様を参照すると、誤った回答につながる可能性があります。
古いブログ記事を削除する必要はありませんが、
「2026年10月時点」
など更新日を明記し、内容を定期的に見直しておくと安心です。
6. 会社情報・運営者情報を明確にする
会社名、所在地、運営者、連絡方法、事業内容などを整理して掲載しておくことも重要です。
誰が運営しているのか分からないサイトよりも、情報源が明確なサイトの方が、人にとってもAIにとっても信頼性を判断しやすくなります。
7. AIアクセスをすべて拒否しない
AIによる学習を拒否したい場合でも、
「AIアクセスをすべてブロックする」
のは慎重に判断した方がよいでしょう。
検索、AIエージェント、AI学習は、それぞれ目的が違います。
Cloudflareなどを利用している場合は、
検索は許可する
AIエージェントも必要に応じて許可する
AI学習だけ拒否する
といった使い分けも可能になってきています。
AIからのアクセスを一律に遮断するのではなく、
「どのAIには見てもらいたいのか」
という視点で考えることが重要になりそうです。
まずは「サイト内の情報整理」から
AI時代のWeb対策というと難しく感じますが、最初に行うことは意外とシンプルです。
サービス内容を整理する。
料金を分かりやすくする。
FAQを増やす。
古い情報を更新する。
独自の事例を掲載する。
こうした対応は、AI対策であると同時に、従来のSEOやユーザーの使いやすさの改善にもつながります。
AI向けに特殊なサイトを作るというより、
「人間が読んでも、AIが読んでも、何のサイトなのか正確に分かる」
状態にしておくことが、今できる最も現実的な対策ではないでしょうか。








